院長のブログ

起立性調節障害について2022.06.20


(1)病気の本態について
 静脈とくに大静脈の収縮機能の不良による循環血液量の減少が起こることが原因と考えます。ただし、上述の本態はまだ解明されておらず、自律神経の乱れと書いている専門書が大多数です。
 立ち眩みは頚部大静脈(内頚静脈や外頚静脈、椎骨静脈など)の収縮不全のために特に頚部をまっすぐ伸ばして起立した場合に頭蓋内の血液が急速に頚部以下の体に流れ落ちてしまうことで脳虚血状態になり、眼前暗黒感やひどい場合は失神状態になることと考えられています。また、立位の状態を長時間続けるとやはり脳内の虚血状態となり転倒したり、座り込んでしまうと考えられています。

(2)症状としてよく見られること
①めまいや立ち眩み:これに関しては上述した通りです。
②朝起きが悪い:夜間の睡眠状態は臥床している状態なので、朝一番に起き上がるときは特にめまいや立ち眩みの状態を引き起こすことと同様のことが起こることになりますから、どうしても起立性調節障害の子供は避けたい気持ちになり、なかなか起きられないと思われます。
③午前中は調子が悪い:これも①や②と同様の機転が働いていると考えられます。
④頭痛、腹痛、起立時の気分不良など:これも同様の機転が働くことで説明がつくと思われます。

(3)治療
 病気の本態が解明されていない現状では根本療法はありません。
よく処方されているのが、メトリジン(α1-ブロッカー)ですが、この薬は大静脈の収縮機転に作用すると考えられており、起立性調節障害の人ではこのα1-ブロッカーが少なくなっていると考えられているため、今から30年以上前から使われるようになっております。

(4)生活支援
 そこで現在主流となっているのが生活支援です。これに関しましてはたくさんの文書が出ておりますので添付させていただきます。

(5)お願い
 起立性調節障害は精神の異常はないと考えられておりますので、叱咤激励は役に立たないどころか、本人にストレスをさらに与えるだけであると思われます。よろしくご指導をお願いします。