院長のブログ

初めまして!2018.06.19

初めまして、安田小児科内科の安田です。今回新しいHPを始めるにあたってブログを始めることにいたしました。その時節の小児科関連の流行疾患やその対応について私なりにお話をさせていただこうと思っております。ブログの更新に関しましては、不定期ということでお許しいただけたらと思います。
3月下旬から沖縄で始まった麻疹の流行が愛知県に移って大変なことになりそうな予感です。4月25日現在で患者さんの総数は沖縄が70名を越え、愛知県では8名の発症になっています。麻疹の原因は麻疹ウイルスによっておこり、伝播は空気を介して起こる空気感染で、インフルエンザ(ウイルス)や他の感冒を引き起こすウイルスの伝播とは少し経路が異なり、また麻疹は伝染力がほかのウイルスよりも非常に強いために、麻疹の患者さんがいる空間に一緒にいるだけで、麻疹に対する免疫のない方は簡単に移ってしまうという厄介な病気です。予防は麻疹に対する免疫をつくること、つまりワクチン接種をする以外に方法はありません。
現在麻疹に対する予防接種は生後1歳から2歳までに麻疹風疹混合ワクチンを1回接種と小学校就学前(6歳になる年の4月1日から翌年の3月31日まで)にもう1回接種の2回受けることになっており、その2回接種を受けていればほとんど麻疹にかかることはありません。ただし、麻疹のワクチンを全く受けていなかったり、1回しか受けていない場合は麻疹の方と一緒の空間を共にすると感染してしまう恐れがあります。2回接種が済んでいない方やご心配の方はかかりつけの先生とご相談ください。
また、現在成人の方の麻疹の発症が多い理由は、過去の定期接種が麻疹の免疫は1回麻疹ワクチンを接種すれば一生免疫が継続されると考えていた時期があり、1回接種しかしていない年齢層があるためです。現在の年齢で28歳以上の方たちが相当します。また、40歳以上の方たちは麻疹のワクチンをほとんど受けておられません。ただし、その年齢層以上では日本でも日常的に麻疹の流行があり、大半の方たちは麻疹の自然感染で免疫を持っていますから、麻疹にかかることはほとんどありません。ご心配の方は麻疹の免疫の有無を血液検査で調べることができます(料金は検査法によって変わりますが4000円から5000円程度でできると思います)。また1歳以上の年齢であれば麻疹または麻疹風疹混合ワクチンの接種を受けることは可能です(料金は5000円から10000円程度、ただし現在麻疹ワクチンは品薄状態で、麻疹風疹混合ワクチンの接種を医院では勧められることが多いと思います)。
当院でもご相談は随時受け付けておりますが、お電話でのお問い合わせはできるだけご容赦をお願いいたします。お子さんの場合は母子手帳などワクチン接種歴のわかるものをご持参のうえ御来診ください。次回は麻疹についての第2報や現在松阪で流行中の溶連菌感染症についてつぶやこうと思っております。